agoraとは


文学、歴史、芸術、身体論、社会、サイエンスなど、多彩なテーマを掲げ、少人数でじっくりと学ぶ連続講座です。
知るを楽しみ 観るを培い 感じるを語らう「学び・交流・創発」の場です。

agoraは人間力を磨く

人は多様性を内包する生き物といえます。仕事・家庭・地域参加・社会貢献等々さまざまな「顔」を持ち、多面的な知的社会活動を営んで生きているはずです。一方で、私たちが身を置く企業組織は、効率性を重視するあまりに、ともすれば多様性を抑制し、ひとつの「顔」で生きることを強いるときがあります。それが結果として、人間の幅を狭め、深みを失わせることになってはいないでしょうか。

慶應MCCでは、人として、こころ豊かに生きるためには、多様な「顔」を内側から支え、バランスよく駆動させる「人間力」が必要であると考えています。人間力は、「知性」「感性」「身体」の三つの要素から構成され、人間のあらゆる知的社会活動において発揮される立体的な総合力といえます。

豊かな人間力を持つことは、自らの基軸を形成し、発想を豊かにし、異質な他者への理解を促進し、失敗や挫折への耐性となるはずです。

『agora』は、参加者が人間力を醸成するための場をめざしています。

重要なのは「学びを楽しむこと」

知之者不如好之者 これを知るものは、これを好む者に如かず

好之者不如樂之者 これを好むものは、これを楽しむ者に如かず

「論語 雍也第六-二十」

成人学習理論の知見が教えてくれること、そして2001年のMCC開設からこれまでの経験で私たちが確信することは、「大人の学びは、本来的に内発的な行為である」という真理です。

本人自身が、内なる欲求として、学ぶ意欲に火をつけることからすべてが始まります。突き動かされる感情からくる自発性、そして未知の世界を知りたいと願う好奇心が、「知性」「感性」「身体」を揺り動かし、全てのエネルギーを作り出していくのではないでしょうか。

義務・役割で学ぶのではない。 功利のために学ぶのでもない。 学ぶことを純粋に「楽しむこと」が重要である。

agoraは、この精神を何よりも大切にしたいと考えています。

agoraのテーマ

agoraでは、下記の6つのテーマに基づいて講座を企画しています。

温故知新

古いものがあらゆる意味で優れているわけではない。新しいものが必ずしも良いわけでもない。新しいものには改良される余地があり、古いものには再活用される要素がある。古き良きものを鏡とし、現代の課題を映し見ることで、新しき良きものを創り成したい。

エクセレントブックスとの対話

時代を経て読み継がれた名著、多くの人の感動を呼んだ良書には、われわれが社会の中でより良く生きていくためのエッセンスが詰まっている。講師による問題提起や議論の調整、解説に導かれながら、自由な雰囲気の中で思索と議論を楽しみたい。

芸術の扉

太古の昔、人々は大自然の中に見えない神々をみた。薄暗い空間に描かれた洞窟壁画や、石や木を打ち鳴らした原始のリズムは、神と繋がる喜びを表現した美的体験にほかならない。時空を越えて人々を感動させる芸術の普遍性に触れることで、人類が紡いできた美のDNAを確かめたい。

身体知の世界

洋の東西を問わず、伝統芸能や職人の世界では、物事の本質を伝える方法として「身体で憶える」ことを重視した。身体知とは、言葉や論理を越えた知の創出と伝達の方法論と言える。ともすれば抽象化に流される本質論を、身体の感覚に刻み込むように学んでみたい。

現代の眼

日本が抱える課題を考える時、その俯瞰的視野は宇宙規模の広がりを持たねばならないだろう。地球を巨大なシステムとして認識し、そのサブシステムとして人類の営みを位置づけたうえで、環境問題、食糧・資源問題、地域間紛争等々、現代の我々が直面しているさまざまな問題考えたい。

サイエンスの深淵

例えば、「生命とは何か」という根源的な問いに対しても、人類はいまだに完全なる解答を見いだしていない。それほどにサイエンスの世界は奥深い。最先端のサイエンス動向を知ることで、その深淵に立ち入ろうとする科学者が感じるという、 “Something Great”の存在を確かめたい。


慶應丸の内シティキャンパス