慶應義塾大学アート・センター
平野昭さんと【ベートーヴェン深耕!】

※受付は終了いたしました。

「音楽は不思議な力に満ちた大地だ。
人間の精神はそこに生き、そこで思考し、そして創造する」 
―ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

「ベートーヴェンを越える音楽家はいない」と言わしめるほど、ベートーヴェンはあらゆる革新をし、音楽史を決定づけました。音楽がすべての人々のものとなったのも、音楽で"心"を表現したのも、ピアノソナタや交響曲を完成させたのも、すべてはベートーヴェンでした。だからこそ私たちの心を今なお感動し続けるのです。
ベートーヴェンが生きた時代の文化や社会背景の中で、彼を見つめ直すことで、"偉大な音楽家"の音楽観、芸術観、宗教観、世界観を深耕していきたいと思います。

 平野昭

新たなベートーヴェンの魅力

ベートーヴェン研究の第一人者・平野昭先生のガイドで、ベートーヴェンを深耕する代表的作品を紹介します。解説を聞きながらの鑑賞や聴き比べなど、いろいろな楽しみ方を通して、ベートーヴェンの魅力を発見しましょう。

ベートーヴェン、クラシック音楽の楽しみ方

ベートーヴェンは、今もなお、あらゆる演奏会においてもっとも人気のある作曲家の一人です。作品の紹介や解説に加え、コンサートの選び方、楽しみ方を知ることで、ベートーヴェンをはじめ、さまざまなクラシックコンサートが身近に感じられるようになるでしょう。

お勧めしたい方

ベートーヴェンの音楽や芸術観への理解を深めたい方

クラシック音楽の奥深さに触れ、魅力を堪能したい方

開催概要

日程:2012年 5/19、6/2、6/16、6/30、7/14、7/28(すべて土曜日) 全6回

時間:14:00-17:00(3時間)

定員:25名

会場:慶應丸の内シティキャンパス

参加費:105,000円(税込) 割引制度 キャンセル規定

講座内容

5月19日(土)14:00-17:00

第1回 名曲の原点、ボンと少年時代

ベートーヴェンは1770年に生まれ、1792年ウィーンに出るまでボンで育ち過ごします。当時のボンは色濃くウィーンの文化が取りこまれ、ライン川の対岸フランスとの交流も活発で、啓蒙思想や共和主義精神が漂う知的都市でした。
第1回は、ベートーヴェンの若き日と当時のボンに旅しましょう。名曲の原点を辿ることで、音楽の聴き方・楽しみ方がまったく違ったものになると思います。

【聴いてみましょう】『選帝侯ソナタ』,『ヨゼフカンタータ』,『レオポルトカンタータ』

6月2日(土)14:00-17:00

第2回 ピアノの技術革新とともに

ピアノの劇的な改良・発展なしには、ベートーヴェンの音楽は生まれ得ませんでした。同時に、彼なしには19世紀のピアノ音楽の百花繚乱や、楽譜出版文化の急速かつ広範な発展は成し遂げられなかったことでしょう。
ベートーヴェンは、新しい発想で音楽様式や表現を発明しながら、ピアノを最大限活用し、楽器の改良発展のプロセスにも携わりました。ピアノソナタとピアノの双方を育てたベートーヴェンと時代を旅してみましょう。

【聴いてみましょう】 ピアノソナタ 第8番『悲愴』,第14番『月光』,第23番『熱情』,第29番『ハンマークラヴィアータ』

6月16日(土)14:00-17:00

第3回 音楽を市民の芸術に

18世紀末、啓蒙思想の広がりとともに、王侯貴族が独占していたあらゆる価値が一般市民へと解放され、それまでの宗教音楽や宮廷音楽とは違う、"市民のための音楽"が生まれました。聴衆が王侯貴族から大勢の一般市民へ、演奏会場はサロンから大きなコンサートホールへと変わり、作曲家・演奏家・音楽教師の分業によるプロフェッショナリズムが始まりました。
ベートーヴェンの代表的な交響曲から、革新の核心に迫りましょう。

【聴いてみましょう】 交響曲第3番『英雄』,第5番『運命』,第6番『田園』

6月30日(土)14:00-17:00

第4回 舞台に観るベートーヴェンと愛した女性

ベートーヴェンがオペラ・歌劇に選んだテーマはすべて史実でした。代表的作品であるゲーテの悲劇『エグモント』とオペラ『フィデリオ』には、ともに正義のために立ち上がる男と、献身的で利発な女性が登場します。ボン時代に培ったベートーヴェンの共和主義精神と、彼が理想とした社会のあり方、女性像、夫婦のあり方が描かれています。
舞台音楽に、ベートーヴェンの思想と理想を探求したいと思います。

【聴いてみましょう】 ゲーテの悲劇『エグモント』,オペラ『フィデリオ』

7月14日(土)14:00-17:00

第5回 ベートーヴェンの宗教観

ベートーヴェンは共和主義精神「自由、平等、博愛」に共鳴し、「人間はいかに生きるか」を一貫したテーマとして突き詰めました。シラーの頌詩「歓喜に寄す」を用いた「交響曲第9番」では宗教・宗派を越えた大自然的な宗教観が、荘厳ミサ曲とも訳される「ミサ・ソレニムス」では教会音楽を越えた普遍性が追求されています。
世界の平和と一人ひとりの心の平和。ベートーヴェンが追い求めた世界を探索しましょう。

【聴いてみましょう】 交響曲第9番(合唱つき),ミサソレニムス

7月28日(土)14:00-17:00

第6回 ベートーヴェンが目指した究極の音楽

ハイドンに作曲を学び、モーツアルトに刺激を受け、バッハのフーガ技法を研究したベートーヴェンは、"ベートーヴェンを越えるものはいない"と言わしめるほどに、ピアノソナタ、交響曲、弦楽四重奏という3つの"至峰"を極めました。
第6回は、ベートーヴェンが晩年に書き上げた5曲の弦楽四重奏曲を聴きながら、彼がめざした音楽とは何であったのか、そして彼が音楽史に残した偉大な軌跡を、皆さんと考えてみたいと思います。

【聴いてみましょう】 弦楽四重奏 第12番~第16番

参加申込

受付は終了いたしました。

平野昭

平野 昭(ひらの・あきら)

慶應義塾大学文学部教授

 

1949年、横浜生まれ。武蔵野音楽大学大学院音楽学専攻修了。研究領域は西洋音楽史と音楽美学。古典派とロマン派音楽の様式研究を中心とし、特にベートーヴェン研究をライフワークとしている。尚美学園短大助教授、沖縄県立藝術大学教授、静岡文化芸術大学教授を経て現職。東京藝術大学音楽学部、国立音楽大学大学院成城大学大学院の非常勤講師も勤める。
音楽評論活動では毎日新聞、「音楽の友」「レコード芸術」レギュラー執筆。また、NHKのFMクラシック番組等での解説者としても活躍。日本音楽学会・国際音楽学会・18世紀学会各会員。

 

主な著書

agora風景