講座内容
4月23日(土)14:00-17:00
第1回 ドラッカー、その人生と歩み
~マネジメントが生まれるまで~
ドラッカーとはどのような人物なのか。また、彼の思想はどのような流れで展開されてきたのか。
ドラッカーの歩んだ20世紀という時代背景とともに、彼の人生、当講座で取り上げる初期三部作とその集大成である『現代の経営』の位置づけについて解説します。
5月14日(土)14:00-17:00
第2回 『「経済人」の終わり』を読む
~大戦前夜のドラッカー:新たな秩序の誕生~
第一次世界大戦によって19世紀的な経済人の社会は崩壊し、その隙間を縫うようにファシズム全体主義が登場しました。しかし、それは矛盾と不可能を主張したに過ぎず、何ら新しい社会を描くものとはなり得ませんでした。
ドラッカーは、ファシズムが消滅するには、ヨーロッパの伝統的価値観である自由主義と人間主義を基礎とする新たな秩序を構築することが必要であると説きます。
『「経済人」の終わり』(1939年)
ドラッカー29歳の時の処女作。「経済人」とは経済至上主義を意味する。経済至上主義は、社会を機能させ人を幸せにするのかという問題意識は、今日を生きる我々の問題意識と変わることがない。
5月28日(土)14:00-17:00
第3回 『産業人の未来』を読む
~戦火のなかのドラッカー:自由社会がもたらすもの~
第二次世界大戦戦火の中で、ドラッカーは次代の社会の姿に思いをめぐらせます。それは、産業中心の社会であり、組織中心の社会でもありました。
彼がどのような思いで戦乱を生き抜いていたのか、ドラッカーが思い描いた未来像とともに、自由社会とは何かを考えます。
『産業人の未来』(1942年)
ドラッカー32歳の時の著作。新しい産業社会では、人間を歯車として扱うのではなく、意志を持った生身の存在として機能できる企業こそが主役であるべきと提唱した画期的な書である。
6月11日(土)14:00-17:00
第4回 『企業とは何か』を読む
~戦後のドラッカー:企業に期待するもの~
ドラッカーの二作目『産業人の未来』に注目していたGM(ゼネラルモーターズ)は、ドラッカーに調査研究を依頼します。そのGMでの経験から彼は、新しい自由な産業社会を形成する担い手は、政府でも官僚でもなく、自由な企業あるいは自由な企業経営者であることを確信します。
ドラッカーの期待を核にして、企業とは何か、何のためのマネジメントかについて考えます。
『企業とは何か』(1946年)
ドラッカー36歳の時の著作。新しい自由な産業社会を形成する担い手として、政府でも官僚でもなく、自由な企業あるいは自由な企業経営者であることを提唱した著。GMでの1年半にわたる調査研究の知識の集大成でもある。
6月25日(土)14:00-17:00
第5回 『現代の経営』を読む
~ドラッカーの経営学:顧客を創造するとは~
ドラッカーは企業経営のなかに、人間の進むべき道を見出しました。その社会は人間の自由を基礎とすべきであり、何よりも企業経営の目的は自由を行使することであると説いています。
現在においても語り継がれる「事業の目的とは顧客を創造すること」という、自由な顧客創造の帰結に導かれるまでの流れを追います。
『現代の経営』(1954年)
ドラッカー44歳の時の著作。世界で最初の統合的経営書であり、ドラッカーの名を不動のものとした。自由な産業社会の主役たる企業に何が求められ、どうあるべきか体系的に論じている。
7月2日(土)14:00-17:00
第6回 ドラッカーの経営哲学
~カントの自由論からドラッカーを読み解く~
ドイツの哲学者カントの説く自由論と人間主義の思想は、ドラッカーの理想とした自由のあり方とよく似ていると言われます。「人間は生まれながら自由なのではなく、自由意志を行使することによって初めて自由になれる」と主張するカント哲学から、ドラッカーの経営哲学の本質に迫り、ドラッカー=カント流の社会的責任マネジメントについて、お話ししてみたいと思います。
教材・課題図書・参考図書
課題図書(配布):『知の巨人 ドラッカー自伝』 ピーター・F・ドラッカー著、牧野洋 訳・解説、日経ビジネス文庫2009年
※参考図書 『「経済人」の終わり』『産業人の未来』『企業とは何か』『現代の経営』の四冊は菊澤先生より内容サマリーの解説をいただきますので必読ではありませんが、講座の理解をより深めるためにも、可能であれば
お読みいただくことを推奨いたします。