味方 玄さん・氷川まりこさん
【能と日本の美意識・人生観】

日本独特の感性や人生観を見つめ、自分自身を探る

能には、現代に通じる日本独特の死生観や美意識が詰まっています。極限までそぎ落とされた表現は、一見しただけではわかりにくいと思われがちですが、抽象であるがゆえに、自身の心に照らし紐解いていくと、汲めども尽きない泉のような世界が広がっていきます。私たちは、なぜ儚いものに心惹かれるのか、なぜ老いの先に何かがあると思うのか――。

本講座では、能の大成者として知られる世阿弥の思考と作品に焦点をあて、能という芸能を心身を通して探り、その根底にある日本独特の感性や人生観とはいかなるものかを見つめていきます。それは同時に、自分自身とは何かをあたらためて見つめる時間になることでしょう。

味方玄
味方玄

触れて、観て、体感する能

本講座では知識として能を学ぶだけでなく、身体と五感を使って感じる能をめざし、触れる、動く、観るといった体感も重視した構成となっています。第1回~第4回は、後半の1時間に謡と足の運びなどのワークショップを行います。第6回は、バックステージツアー付き公演鑑賞を行い、国立能楽堂の研修能舞台へ上がって能の空間感覚を体感します。

お勧めしたい方

能を通して日本の美意識や人生観について理解を深めたい方

能をレクチャーと体感で学びたい方

初めて能を学ぶ方

開催概要

日程:2016年 4/18(月)、5/9(月)、5/31(火)、6/20(月)、7/9(土)、8/4(木)全6回

時間:第1-4回は18:30-21:30、第5回は14:00-17:00、第6回は18:20-21:20

定員:20名

会場:慶應丸の内シティキャンパス宝生能楽堂(第5回)、国立能楽堂(第6回)

参加費:108,000円(消費税8%込) 割引制度 キャンセル規定

講座内容

4月18日(月)18:30-21:30

第1回 世阿弥の発想力

能のルーツは奈良時代にまでさかのぼります。それを、室町時代に登場した世阿弥が「夢幻能」というスタイルを創り出し、現代の能の原型を確立しました。大衆芸能だった能を、世阿弥はいかにして芸術の域にまで高めていったのか。その人生をたどり、能という芸能の本質を考えます。

5月9日(月)18:30-21:30

第2回 「秘すれば花」

世阿弥が著した『風姿花伝』は、父・観阿弥から受け継いだノウハウを世阿弥自身の経験を踏まえてまとめた芸論です。子どもをどのように育てるか、ライバルにどう立ち向かうか、一流の条件とは――。
世阿弥が実践した数々の戦略は、現代社会でも通用する真理にあふれています。『風姿花伝』の「名言」を正しく解釈し、強く生きる智慧と技術を学びます。

5月31日(火)18:30-21:30

第3回 日本の自然観、人生観

和歌や古典、仏教用語などが巧みに読み込まれた詞章(能の台本)には、日本語の美しさが凝縮された文学作品としての魅力があります。世阿弥作の能『山姥』の詞章を読み解き、日本人が古来持ち続けてきた自然観や人生観について思いをめぐらせます。

6月20日(月)18:30-21:30

第4回 能面の美と効果

能の面や装束は、舞台で使われる実用品でありながら、日本の手仕事の技が駆使された美術品でもあります。その繊細な美を手に取り、「着付の実演」も見学し、面や装束が観客と能楽師自身にもたらす効果について考えます。

7月9日(土)14:00-17:00

第5回 世阿弥 作『山姥 雪月花之舞』鑑賞

味方師がシテ(主役)を演じる能『山姥』を、水道橋の宝生能楽堂で鑑賞します。作品のあらすじや背景、謡の言葉についての知識をもって舞台を観ることで、能独特の世界をより深く感じとり、作品を理解できることを実感します。

8月4日(木)18:20-21:20

第6回 能舞台の体感

千駄ヶ谷の国立能楽堂を訪ね、研修能舞台のバックステージツアーを行います。白足袋で実際に舞台に上がり、能の空間感覚を体感することで、感覚としての能への理解を深めます。
その後、国立能楽堂企画公演【(狂言『仏師』小笠原匡(和泉流)、能『通小町』山階彌右衛門(観世流)】を鑑賞します。

参加申込

この講座の募集は終了いたしました。

味方 玄

味方 玄(みかた・しずか)

能役者 観世流シテ方

 

1966年京都府生まれ。京都在住。父・味方健、故・片山幽雪(人間国宝)に師事。品格のある存在感と表現力で定評がある。1996年より自身で企画・上演する公演「テアトル・ノウ」を主催。京都市芸術新人賞、京都府文化賞奨励賞受賞。

 

著書

氷川まりこ

氷川まりこ(ひかわ・まりこ)

伝統文化ジャーナリスト

 

1963年東京生まれ。能楽をはじめ、茶、禅、花、香などの東山文化を中心に伝統芸能・伝統文化を専門として書籍や記事を手掛ける。

 

著書