村上和雄さんと考える【科学と向き合う人間力】

科学だけでは答えられない科学的問題とのつきあい方

科学をめぐる諸問題には、「科学によって解決できる問題」と「科学だけでは解決できない問題」が存在します。今回の原発事故に伴う安全性論争に象徴されるように、科学の専門家が「科学的な誠実さ」をもって丁寧に説明しても、一般人の素朴な疑問・不安を解消できない現象が起こり得ます。

広く国民的な議論が必要な科学的事柄には、最先端の科学的知見と同時に、科学的思考を越えた、感性に基づく思考をもって科学と向き合うことが必要です。
本講座は、現代社会に不可欠な「科学と向き合う人間力」を磨きます。

 村上和雄

あえて科学の枠を超えた視座から科学を俯瞰する

科学にとどまらない独自の世界観を展開する遺伝子工学の権威・村上教授、人間の営みを宇宙から俯瞰する"地球学的人間論"を説く地球物理学の第一人者・松井教授、曹洞宗管長を務めた禅の高僧・板橋興宗師。
異色の三人の組み合わせによる、感性、宗教、哲学といった科学の枠を超えた視座から、科学と人間の諸問題を考えます。

お勧めしたい方

生命科学、医療、環境など、科学と社会の接点に関わる諸問題に関心のある方

教養として科学への理解を深めたい方

開催概要

日程:2011年 10/1(土)、10/15(土)、10/29(土)、11/5(土)、11/26(土)、12/10(土) 全6回

  • 時間:14:00~17:00 (3時間)

定員:25名

会場:慶應丸の内シティキャンパス

参加費:105,000円(税込) 割引制度 キャンセル規定

講座内容

10月1日(土)14:00-17:00

第1回 先端科学はどこまで進んでいるのか~生命科学の可能性と限界

iPS細胞研究に代表されるように、生命科学分野における先端研究が著しい進歩を遂げている一方で、心と身体の繋がりなど、従来の科学の言葉では語りきれない世界があることもわかってきました。講座全体のガイダンスも兼ね、先端科学の動向とともに、その可能性と限界について考えます。

10月15日(土)14:00-17:00

第2回 科学の歴史を考える ~分化から統合へ

近代科学はルネッサンスから始まったと言われています。宗教の呪縛を離れ、あらゆる事象の根本原理を論理によって解明しようという知的挑戦が、現代の科学技術の進歩と豊かな社会を実現しました。近代科学が人類にもたらした成果、科学的思考の意味を確認します。

10月29日(土)14:00-17:00

第3回 科学と社会のつなぎ方

【ゲスト講師】松井孝典(まつい・たかふみ) 千葉工業大学惑星探査研究センター所長、東京大学名誉教授

科学の専門家と一般の人々の交流を深めようという試行が始まっています。科学をどう伝え、何を伝えるかを、それぞれの立場から共に考えることで、国民の科学リテラシーを高めようという狙いです。地球物理学の権威で、現在は先端科学の知見を社会にわかり易く伝えることに注力している松井孝典教授とともに、科学と社会のつなぎ方について論じます。

11月5日(土)14:00-17:00

第4回 二つの進化論

生命の強さを、「持続可能性」と捉えれば、本当に強い生命は、他者を活かし、他者に活かされる「しなやか」な存在ではないでしょうか。ダーウィンの主張した「強者生存的進化論」と最新の「共生的進化論」という二つの進化論を対比させながら、生命の根源を考えます。

11月26日(土)14:00-17:00

第5回 笑いと健康、笑いと遺伝子

心と身体の関係について研究を進める村上教授のライフワークである「心と遺伝子の相互作用」について、その最新の知見から、「笑い」という精神的な要素が人間の生命に及ぼす影響を考えます。

12月10日(土)14:00-17:00

第6回 科学と宗教の結節点

【ゲスト講師】板橋興宗(いたばし・こうしゅう) 御誕生寺住職、元曹洞宗管長

科学と宗教。これまで相容れることのなかった二つの世界の距離が、二十一世紀に入り狭まりつつあると言われています。科学的な世界観と宗教的な世界観の結節点を探すとともに、原発問題など、私たちが直面する大きな不安にどう向き合っていくのか、科学と宗教の両面から思索を深めます。

参加申込

受付は終了いたしました。

村上和雄

  • 村上和雄(むらかみ・かずお)

    筑波大学名誉教授

     

    1963年京都大学大学院博士課程修了。米国オレゴン医科大学生化学教室研究員、米国バンダビルト大学医学部助教授を経て、1978年筑波大学応用生物化学系教授。1999年より現職。1996年日本学士院賞受賞。1983年に高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功。世界的に有名なパスツール研究所やハーバード大学を抑えての快挙であった為、一躍注目を集める。
    最先端の遺伝子工学の研究から、「感性と遺伝子は繋がっている」ことを究明。想像をはるかに超える人間の持つ偉大な可能性を開花させる「眠れる遺伝子の目覚めさせ方・考え方」を解き明かす。科学に身を置きながら、哲学、宗教、宇宙をも包み込む独自の世界観を展開している。

     

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