田口佳史さんに問う中国古典
【陽明学入門】

自分を鼓舞し、心の底からやる気を湧き起こす覚醒の学

王陽明が説いた「陽明学」は、朱子学と並び、近世の新儒学を代表する思想です。当時の明は、内憂外患が絶えない困難な状況にありました。こうした時代に生まれた「陽明学」は、現在は危機的状況にあるという認識の上に立ち、世を憂う警世・憂国の学として知られています。

人間は成長や繁栄を追い求めるうちに、いつの間にか冨・地位・名声等々に身心を絡め取られてしまうものです。そこから抜け出すためには、時代の本質を読み解き、自己を覚醒させるための思想哲学が必要です。大転換期を迎えているいまこそ、仕事や日常生活の中での実践を重視する「陽明学」を学ぶことで、自分自身を鼓舞し、心底から湧き上がるやる気を呼び覚ますことができるはずです。

田口佳史

王陽明と陽明学

王陽明は中国明朝の中期(1472年)に生まれました。苦労して科挙を通り官僚になりましたが、宦官の専横を批判して僻地に流されるなど、自ら艱難辛苦の道を選びました。生涯を通して厳しく自己反省を重ね、陽明学を打ち立てました。その思想は『伝習録』等にまとめられています。

『伝習録』・抜本塞源論

王陽明の『伝習録』は上・中・下三巻から構成されますが、中巻にある「顧東橋に答ふる書」は抜本塞源論とも呼ばれています。王陽明が最晩年に書いたもので、次代に向けた強い思いが込められていると言われています。本講座では陽明学の要諦として『伝習録』を抜本塞源論から読み始めます。

お勧めしたい方

中国古典の思想・考え方をビジネスや人生に役立てたい方

生きる上での哲学や価値観の重要性を認識し、醸成したい方

開催概要

日程:2016年 4/4、4/18、5/9、5/23、6/6、6/20(すべて月曜日)全6回

時間:18:30-21:30(3時間)

定員:25名

会場:慶應丸の内シティキャンパス

参加費:108,000円(税込) 割引制度 キャンセル規定

講座内容

4月4日(月)18:30-21:30

第1回 王陽明の人物と思想を知る

王陽明は官僚であると同時に軍略家でもありました。軍人としての経験は、陽明学が「行動の学」と称される要因のひとつでもあります。彼の人生を追うことで、陽明学確立に至る思想的変遷を考えます。また「心即理」「知行合一」「知良致」など陽明学思想の真意を把握し、朱子学との対比から陽明学の特徴を理解します。

4月18日(月)18:30-21:30

第2回 『伝習禄・中巻』-抜本塞源論-を読む

陽明学は「良知の学」だと言われます。その真髄を最もよく表しているのが『伝習禄・中巻』の一部である抜本塞源論です。病弊の本となっている「根本を抜き」、悪弊が流れ出ている「淵源を塞ぐ」ことを意味するこの名論文を通して、陽明学の今日性を認識します。

5月9日(月)18:30-21:30

第3回 『伝習禄・下巻』を読む その1

『伝習禄』は下巻から読めと言われています。下巻は、「良知の学」を確立した後の王陽明と弟子門人との問答集ですが、問答を通して彼の思想が明確に主張されており、理解しやすいのがその理由です。「良知の学」を自家薬籠中の物とした王陽明の言葉を読み解き、陽明学の要点を学びます。

5月23日(月)18:30-21:30

第4回 『伝習禄・下巻』を読む その2

学問は、その核心に迫れば迫るほど応用が効くものです。陽明の思想の中核に何があり、それがどのように表現されているか。更には、思想の実践が、現実の社会生活にどうやって活かされていくのか。王陽明と弟子門人達との縦横無尽の問答を通して、日常生活の中での実践を重視する陽明学の真髄に迫ります。

6月6日(月)18:30-21:30

第5回 『伝習禄・上巻』を読む

初期の思想は若く未熟であるゆえに、新鮮でみずみずしくもあります。『伝習禄・上巻』は、王陽明の比較的初期の思想が語られています。陽明学の真髄を理解した後に、初期の考え方を知ることで、彼の思想がどのように発展確立したのかを垣間見ることができます。それは陽明の学の根本を知ることでもあります。

6月20日(月)18:30-21:30

第6回 王陽明の「良知の学」と現代社会

いま、陽明学=「良知の学」の何が人々の心を打つのでしょうか。そして、陽明学がどのように現在の私たちの社会生活に役立つのでしょうか。講座のまとめとして、王陽明と弟子門人達の問答を真似て、講師と参加者の問答形式で考えてみます。

参加申込

この講座の募集は終了いたしました。

田口佳史

田口佳史
(たぐち・よしふみ)

東洋思想研究家、株式会社イメージプラン代表取締役社長

 

1942年東京生まれ。新進の記録映画監督として活躍中、25歳の時タイ国バンコク市郊外で重傷を負い、生死の境で「老子」と出会う。奇跡的に生還し、以降中国古典思想研究四十数年。東洋倫理学、東洋リーダーシップ論の第一人者。
企業、官公庁、地方自治体、教育機関など全国各地で講演講義を続け、1万名を越える社会人教育の実績がある。 1998年に老荘思想的経営論「タオ・マネジメント」を発表、米国でも英語版が発刊され、東洋思想と西洋先端技法との融合による新しい経営思想として注目される。

 

主な著書