慶應MCC agora講座

平藤喜久子さんとめぐる【神話が生み出したもの】

神、神話を知ると、アートはもっと深くて面白い


【ハイブリッド】

丸の内キャンパス、オンライン(Zoom)いずれでも参加可能です。


人が人としての心を持つようになった頃から、神話は語られていたといわれます。もちろん、そのころの神話がどのようなものであったのかは、文字化されて伝えられていないため知ることはできません。しかし、旧石器時代には貴重なマンモスの牙で作られたライオンの頭を持つ男性像、石灰岩で彫られた女性像が登場します。暗い暗い洞窟の奥に描かれた絵画はアニメーションのようだともいわれます。これらは芸術の起源であるとともに、もっとも古い神話や神を知る手がかりと考えられます。神話や神の存在が芸術を生み出したということではないでしょうか。

「神話があったからこそ生み出されたもの」。このような視点で身の回りを見渡してみると、実に様々なところで見出すことができます。神を祀る建築としての神社。神に奉納するために生み出された芸能。神や神話に着想を得た絵画や文学もあります。

「神、神話が生み出したもの」という新たな目で、建築や文学、芸能の世界をご一緒にめぐってみませんか?

平藤喜久子

平藤喜久子

進め方

各回、事後に感想や講師に質問したいことを所定様式に記入し提出いただきます。感想と質問はクラス全体で共有し、さまざまな観点・経験からの感想を互いに味わい学びます。

おすすめする方

  • 日本の神話、文化について理解を深めたい方
  • 神話学の観点から世界と日本の神話について学んでみたい方
  • 日本の価値観の始原に触れ、人生や生活、仕事にいかしたい方

講師

平藤喜久子

平藤 喜久子ひらふじ・きくこ

國學院大學神道文化学部 教授

学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程日本語日本文学専攻修了。博士(日本語日本文学)。専門宗教文化士。専門は神話学、宗教学。

日本神話を中心に他地域の神話との比較研究を行う。また、日本の神話、神々が研究やアートの分野でどのように取り扱われてきたのか、というテーマに取り組んでいる。日本や海外の学生のために、日本の宗教文化を学ぶための教材を作るプロジェクトにも携わっている。

主要著書


開催概要

開催形態ハイブリッド(丸の内キャンパスとオンラインのいずれも参加可能)
日程2024年 10/26、11/9、12/14、2025年 1/18、2/8、3/1(すべて土曜日) 全6回
欠席時は録画映像を視聴いただけます。
時間14:00-17:00(3時間)
定員25名
会場慶應丸の内シティキャンパス、オンライン(Zoom)
参加費

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


講座内容


10月26日(土)14:00-17:00

第1回神話をめぐる言葉

日本人は、神話とどう付き合ってきたのでしょうか。神話を伝える『古事記』は、偽書だといわれたこともあれば、逆に聖典として扱われたこともあります。神話が教科書で教えられた時代もあれば、教えられなくなった時代も。神話をめぐって語られてきた言葉に注目しながら考えます。


11月9日(土)14:00-17:00

第2回日本神話は海外でどう読まれたか

日本が国際社会に出ていった19世紀は、「翻訳の時代」でもありました。もちろん『古事記』や『日本書紀』も外国語に訳されます。そしてその翻訳を読み、あらたな文学へと昇華させる人も。その一人に小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を挙げることができます。彼の眼差しに日本の神々の世界はどのように見えたのでしょうか。


12月14日(土)14:00-17:00

第3回神話をめぐる建築

神話が生み出した巨大建築に出雲大社があります。出雲大社を手がかりに神社の建築に注目し、神と人間の関係が建築にどのように表現されたのかを考えます。出雲の神話文化についても取り上げます。


1月18日(土)14:00-17:00

第4回神話と芸能―祭、神楽、舞台芸術など

神への祈りは、ただ手を合わせるだけではなく、踊りや劇の奉納といった形でも表わされてきました。古代ギリシャの劇は、神に奉納するだけでなく、しだいに商業演劇へと展開していきます。日本も神楽や神楽舞もあれば、猿楽、能、狂言も生まれました。


2月8日(土)14:00-17:00

第5回神・神話をどう描くか

神話というと、ルネッサンス期のボッティチェッリの「ヴィーナス誕生」をはじめとする絵画を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。もちろん、それだけではなく神、神話は映画にもそしてマンガにも表現されています。

みなさんの「神話といえば○○!」、「△△って神話っぽくない?」を持ち寄って、神話の表現を考えましょう。


3月1日(土)14:00-17:00

第6回神話を感じる文学

『源氏物語』の作者・紫式部は「日本紀の局」とあだ名をつけられたといいます。実は『源氏物語』には日本書紀の話から着想を得たのではないかという話があります。このように日本文学のなかには、神話と関わりのある作品がいくつもあります。中国の槃瓠(ばんこ)神話と『南総里見八犬伝』、泉鏡花の作品は日本の神々の世界が豊かに描かれています。神話を直接取り上げていなくとも、神話を感じる作品もあるでしょう。

本棚に眠った本を久しぶりに取り出したら、そこに神話が、という発見があるといいですね。


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