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慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)は慶應義塾の社会人教育機関です

慶應MCC
菊澤研宗

真の保守とは何かを考え、“継続と変革”の思想をたどる

いま、世界は「右傾化」と呼ばれる動きの中にあります。変化の激しい時代に不安を感じる社会では、強いリーダーを求め、自国優先や排他性が声高に叫ばれています。しかし、そこで語られる「保守」という言葉は、しばしば本来の意味から大きくかけ離れています。本来の「保守」とは、社会の歴史、伝統、慣習を尊び、 時代の変化に対応して変化するという「継続と変革」の両輪を回しながら社会を持続的に発展させる思想です。

このような保守の政治思想をマネジメントに取り入れたのがドラッカーであり、それを受け継いだのがティースのダイナミック・ケイパビリティ論です。彼らのマネジメントは「創造的保守」と呼びうるものです。革命的な方向転換ではなく、伝統の中にある知恵を生かしながら、現代の経営課題に応答していく、そこにこそ真の「保守のマネジメント」の精神があります。

本講座では、エドマンド・バークの古典的保守思想を出発点とし、ドラッカー、ポパー、丸山眞男、トクヴィル、ティースなど、多様な政治や経営の思想家たちを通して、「保守とは何か」「創造的保守のマネジメントとは何か」を探ります。

菊澤研宗

おすすめする方

  • 現代の政治やマネジメントの動きをイデオロギーに偏らず冷静に理解したい方
  • 「右」「左」という単純な対立を超えて保守思想の本質を学びたい方
  • 「変化と継続をどう両立させるか」という経営・組織運営の課題を考えたい方
  • バークやドラッカー、トクヴィル、丸山眞男といった思想家の考えに関心がある方

講座の進め方

講師による講義と、事前課題の共有・ディスカッションを中心に進めます。事前課題は各回の設問にしたがって自分なりに考えをまとめてみてください。講師からのフィードバックやクラスディスカッションでより考えを深めます。

参考図書は事前に読む必要はありません。関心に合わせて手に取り、理解を深めていただければと思います。

講師

菊澤研宗

菊澤 研宗 きくざわ・けんしゅう

慶應義塾大学名誉教授、城西大学大学院経営学研究科長

1986年慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。防衛大学校教授、中央大学大学院国際会計研究科教授を経て2023年3月まで慶應義塾大学商学部教授。その間、ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員(1年間)、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(2年間)として在外研究に従事。専門領域は経営学、組織の経済学、比較コーポレート・ガバナンス論、ダイナミック・ケイパビリティ論。

主要著書

  • 戦略の不条理-変化の時代を生き抜くために(中公文庫)
  • 指導者(リーダー)の不条理 組織に潜む「黒い空気」の正体(PHP新書)
  • 命令の不条理-逆らう部下が組織を伸ばす(中公文庫)
  • 改革の不条理(朝日文庫)
  • 組織の不条理-日本軍の失敗に学ぶ(中公文庫)
  • ダイナミック・ケイパビリティの戦略経営論(中央経済社)
  • 組織の不条理を超えて(中央公論新社)

メディア

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開催概要

開催形態 ハイブリッド開催(対面(キャンパス)、オンライン(Zoom))
日程 2026年 5/9、5/23、6/13、7/4、7/18、8/1(すべて土曜日)
欠席時は録画映像の視聴が可能です。
時間 14:00-17:00(3時間)
定員 25名
会場 慶應丸の内シティキャンパス、オンライン(Zoom)
参加費 115,500円(税込)
割引制度・キャンセル規定
お問い合わせ 担当:米田
03-5220-3111  個別相談 資料請求

講座内容

第1回 5月9日(土)14:00-17:00(3時間)

エドマンド・バークの保守の政治思想

フランス革命に代表される、過去や伝統を断ち切る急進的な変革に対し、エドマンド・バークは強い批判を加えました。彼が擁護したのは、単なる現状維持ではなく、歴史の中で培われてきた制度や慣習の価値を尊重しながら、必要な改革を漸進的に積み重ねていく姿勢です。
社会を持続させるための知恵として、原点ともいえるバークの保守思想を読み解きます。

参考書籍『フランス革命についての省察』エドマンド・バーク(著)、二木麻里(訳)、光文社

第2回 5月23日(土)14:00-17:00(3時間)

ドラッカーの保守のマネジメント

ドラッカーは、バークの保守思想に強い影響を受けながら、それを政治思想にとどめず、マネジメントの領域へと展開しました。彼が一貫して警戒したのは、全体主義的な組織運営や、理念を掲げるがゆえに人間を手段化してしまう思想です。
ドラッカーがどのように「継続と変革の調和」をマネジメントに組み込み、組織を社会的存在として捉えたのかを考えます。

参考書籍『産業人の未来』7~9章、『すでに起こった未来』終章 P.F.ドラッカー(著)、上田 惇生(訳)他、ダイヤモンド社

第3回 6月13日(土)14:00-17:00(3時間)

ポパーの保守の合理主義

カール・ポパーは、伝統を無批判に受け入れることを「非合理な伝統」として批判しました。同時に、彼は「伝統を批判し続けるという伝統」こそが、最も合理的であるという逆説的な考え方を主張しました。
絶えず漸次的に進化することこそ合理的伝統だというポパーの科学哲学を手がかりに、保守と合理主義の関係を再考します。

参考書籍『推測と反駁-科学的知識の発展-』4章 カール・R.ポパー(著)、藤本隆志・石垣壽郎・森博(訳)、法政大学出版局

第4回 7月4日(土)14:00-17:00(3時間)

丸山眞男の永久革命としての民主主義

丸山眞男は、民主主義を完成された制度としてではなく、不断の自己批判と修正を伴う運動として捉えました。民主主義とは「理想形」に到達することではなく、常に未完成であり続けることにこそ意味がある、これが「永久革命としての民主主義」という考え方です。
丸山の民主主義論を通じて、民主主義を支える保守的精神とは何かを検討します。

参考書籍『現代政治の思想と行動』第三部の追記 丸山眞男(著)、未来社

第5回 7月18日(土)14:00-17:00(3時間)

トクヴィルの保守の自由主義

トクヴィルは、近代社会が不可避的に「平等化」へと向かうことを見抜きつつ、その結果として人々の自由が脅かされる危険性を指摘しました。平等は民主主義の前提でありながら、同時に自由を抑圧する力にもなり得るというパラドックスです。
トクヴィルの洞察をもとに、自由を守るために何が必要なのか、平等と自由、保守とリベラルについて考えます。

参考書籍『アメリカのデモクラシー』トクヴィル(著)、松本礼二(訳)、岩波文庫

第6回 8月1日(土)14:00-17:00(3時間)

ティースの創造的保守の経営戦略

ティースのダイナミック・ケイパビリティ論は、急激な環境変化の中で企業が生き残るための理論として知られていますが、その根底には、伝統・蓄積・漸進的変化を重視する「創造的保守」の思想があります。今村均の軍政を例にダイナミック・ケイパビリティ論を「保守の経営戦略」として再解釈し、本講座全体を総括しながら、現代への示唆を引き出します。

参考書籍『組織の不条理を超えて』菊澤研宗(著)、中央公論新社

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