慶應MCC agora講座

臨済宗妙心寺派共催・臨済宗妙心寺派東京禅センター後援

古川周賢老大師と問う【禅の智慧】

白隠禅師に学ぶ人生の歩み方


【ブレンディッド】

回ごとに開催形態が異なります。各回指定の方法でご参加ください。


明日をも知れぬ戦に明け暮れる戦国武将たちが、篤く禅僧に帰依し、禅の道を修めたことはよく知られています。「教えに頼るな」「自分自身にとって返せ」「脚下を看よ」と教える禅の世界は、徹底した実践主義、現場主義に貫かれています。激動の時代、先の見通しのきかない時こそ、めいめい一人一人が、よく落ち着いて心を調え、自分自身の持てる力を最大限に発揮することが重要になってきます。

本講座では、何よりもまず自分の足元に立ち返り、自分の進むべき方向性を、めいめいの知恵と覚悟で切り開いて行くための、基本的なものの考え方を禅から学びます。そして、衰退しつつあった禅の再興を成し遂げ、「臨済宗中興の祖」と称される江戸中期の禅僧・白隠禅師(1686~1769年)の生涯と教えを手掛かりとしながら、自分の人生に対してどう向き合うべきなのかを、ともに考えます。

古川周賢

古川周賢

おすすめする方

  • 禅について理解を深めたい方
  • 禅寺修行を体験したい方、禅を体感したい方
  • 変化し続ける時代と自分自身に向き合うための感性・直感力を養いたい方

白隠禅師とは

江戸中期、禅の再興を成し遂げた白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師は、多くの優秀な弟子を育成したことや、禅の教えを広く民衆へ広めたことで知られています。今日でも著作『夜船閑話』(やせんかんな)の現代語訳版が読まれ、『坐禅和讃』は多くの寺院で読まれる等、僧侶や一般人に教えが伝わっています。一方、ユーモラスな禅画を多数遺したことでも知られており、寺院や展覧会でご覧になった方も多いことでしょう。

本講座では白隠禅師の生涯、禅画に込められたメッセージから禅を学び、生き方を考えます。

進め方

課題として講義動画(30~60分程)の事前視聴や、感想と質問の提出・クラス全体での共有を行うことがあります。当日は講師や参加者同士と談話、質疑応答を行います。坐禅も体験します。

第1回、第3回、第4回は禅寺に赴きます(現地集合・現地解散、交通費各自負担)。オンラインでは参加できません。ご欠席の方には撮影可能な講話の録画を後日提供する予定です。

坐禅・禅寺体験

各回、禅修行の一つである坐禅を行います。坐禅経験のない方を前提に丁寧に指導いたしますので、安心してご参加ください。体調に応じて椅子のご利用も可能です。

禅寺での各種体験も、初めての方を前提に実施します。僧侶の案内に従ってご参加いただき、不明点があれば遠慮なくご質問ください。(指導:東京禅センター)


講師

古川 周賢

古川 周賢老大師ふるかわ・しゅうけん

臨済宗妙心寺派 乾徳山恵林寺 住職

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を修了、博士号取得。平成9年京都紫野大徳寺専門道場に掛搭。平成23年山梨県甲州市塩山妙心寺派乾徳山恵林寺副住職、同26年住職に就任。各地の講演会で禅について、また禅僧の観点から社会問題について熱く語り、恵林寺の坐禅会には遠方からも参加者が集まる。2016年 NHK SWITCHインタビュー達人達「立川談春×古川周賢」出演。


開催概要

開催形態ブレンディッド(回ごとに開催形態が異なります)
第1回・3回・4回:対面
第2回・5回・6回:ハイブリッド
日程2024年 4/6、4/20、5/11、5/18、6/1(すべて土曜日)5日間・全6回
時間第1・2・5・6回:13:30-16:30
第3・4回(5/11 恵林寺):10:30-16:30
定員20名
会場第1回:白雲山 金龍寺(東京都台東区)
第3・4回:乾徳山 恵林寺(山梨県甲州市)
その他の回:慶應丸の内シティキャンパス、オンライン
参加費

agoraメンバーシップは講座参加費の割引と講演会の受講券がセットになったお得な制度です。詳しい内容はこちらをご覧ください。


講座内容


4月6日(土)13:30-16:30 【対面】金龍寺(東京都台東区)

第1回禅の「生き切る」思想と白隠禅師

仏教は「生老病死」に向き合うところから始まりました。わたしたちは、人間の生命のはかなさ、もろさに対して、どう考え、どのように行動していけば良いのでしょうか。

禅はここで、「大死一番絶後に蘇生す」と教えます。これは、何ものも恐れることなく、覚悟をもって進め、という教えです。しかし、そうは言っても、そのような教えをわがものとすることは容易ではありません。禅の道に志す者は、修行を通じて、こうしたことを少しずつ会得していくのです。第1回では、禅の基本的な考え方を、白隠禅師の生涯と教えに照らし合わせながら考えます。また、禅寺という場で坐禅の方法や意味などを学び、実際に取り組みます。


4月20日(土)13:30-16:30 【ハイブリッド】

第2回白隠禅師と道

江戸時代の白隠禅師は、幼い頃に「地獄」への恐れから出家を志したといいます。白隠禅師はその後、禅の修行がほんとうに自分の人生の問題に対する答えになるのかどうか、何度も深刻な迷いを経験しながら、修行者としての人生を歩みきります。

白隠禅師の人生をたどりながら、「道」としての人生とはどういうことなのか、考えます。


5月11日(土)10:30-16:30 【対面】恵林寺(山梨県甲州市)

第3・4回禅修行の現場へ:身体を使った気づきと健康

禅の世界は、徹底した実践の世界です。「道」とは、自らの身体を使って経験していく世界にほかなりません。禅の基本は、「集中」と「観察」であり、「無心」の中での「気付き」が禅の「道」にほかなりません。今回は、禅の修行に適した環境である、山梨県の禅寺・恵林寺に会場を移し、「集中→観察」「無心→気付き」の基本を体験します。

また、白隠禅師には、健康という言葉が広まるきっかけの一つとなった『夜船閑話』という著書があります。『夜船閑話』で説かれる坐禅法についても学びます。

さらに、恵林寺には白隠禅師の禅画・墨蹟が寺宝として所蔵されています。白隠禅師の作品を実際に御覧いただきながら、その表現から読み取ることができるメッセージを味わいます。


5月18日(土)13:30-16:30 【ハイブリッド】

第5回白隠禅師の信念と生き方から考える(1)

白隠禅師の人生から学んだことを手掛かりに、自分の人生をふり返ります。「道」としての人生を生きるとは、どのようなことなのでしょうか? 自分の人生を顧みて、そこに「道」を見いだすには、どのようなことが必要でしょうか?


6月1日(土)13:30-16:30 【ハイブリッド】

第6回白隠禅師の信念と生き方から考える(2)

白隠禅師は『四弘誓願』の教えを大切にしていました。この『四弘誓願』に貫かれた白隠禅師の生き方や日常の工夫を手掛かりにして、現代社会に生きるわたしたちの日常をふり返ります。普段わたしたちが大切にしている「価値観」「人生観」とは、どのようなものでしょうか? そして、それは、わたしたち一人一人の人生の「道」と、どのように関わってくるでしょうか?

社会の中で生きるわたしたちの人生の道を、日常の現実と重ね合わせながら考えます。


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